目をかけ、声をかけ、手をかけなければ子どもは育たない
つまり心をかけることである
(前略)たしかにこの国は経済大国といわれるほどに豊かになったが、その反面、負の副作用として道徳性は劣化現象を起している。それは社会の各層にみられるに至った。このままでは、この国の将来はいったいどうなるのであろうかと憂慮する声は強く、広く、重い。
思うに、経済至上主義からの脱却をはかって、品格ある道義国家をつくり、国際社会で信頼される日本人を育てていくことが課題ではなかろうか。それには個々の子どもの生活基盤としての家庭、学校、さらに地域では具体的に子どもをどう育てればよいのか、どのような道徳教育・心の教育が望ましいのかという課題に取り組んだのである。(略)
教師とはいかにむずかしい職業であるかをつくづく考えさせられる。今日的状況の下では、なおさらそうであろう。品格を高め、徳性を磨き、そこに存在するだけで教育になるというのが究極的教師の理想とも考えられる。
書籍情報
- タイトル
- 未来をになう子どもの教育 -子どもを育てる心の教育-
- 著者
- 板井角也
- 初版発行
- 2001年7月3日 株式会社 心力舎
- 定 価
- 2,095円(税別)